それいけ!さくら号

いつも目にしていた長崎のものが、東京に出てきて初めてそれが普通ではないと知ることが多々あります。その一つが斜面移送システムです。坂の多い長崎ならではの普通ではない話。

◆reporter◆
森川 麻紀
Maki Morikawa
長崎市出身
埼玉県在住

長崎の土地の7 割は斜面市街地です。平地は商業施設が多くを占め、限りがあり、自ずと住む場所は上へ上へと押し上げられていきます。
長崎市が抱える問題に、斜面居住地の空き家問題があります。高い場所で生活できなくなった高齢者たちが平地のマンションへ移っていくからです。

その対策として長崎市が打ち出しているのが斜面移送システムです。平成14 年に第一号線が開通し、現在まで三カ所で稼働しています。そのうちのひとつ、立山のさくら号は実家のすぐ近くにあり、いつも見ていたものでした。

 その対策として長崎市が打ち出しているのが斜面移送システムです。平成14 年に第一号線が開通し、現在まで三カ所で稼働しています。そのうちのひとつ、立山のさくら号は実家のすぐ近くにあり、いつも見ていたものでした。

諏訪神社そばの歴史文化博物館前の坂道をあがっていくと、この階段に突き当たります。ここまで来るともうタクシーもバイクも進めません。

さくら号の内側です。ドアのようなものはありません。のぼる、くだる、止まるのシンプルな操作で自分で動かすことができます。利用料は無料です。

誰でも使えるものだと思っていたら、利用カードを支給された住民しか使えないと知りました。足の骨折や高熱で病院に向かう若い住民にも開放してほしいですね。斜面居住区問題は高齢者だけの話ではありません。

二人乗りとなっているので、もう一人は立ち乗りのようです。シートベルトは必要ないようですね。座ったらカードを挿入して出発進行。
*私はカードを持ちませんので気持ちだけリフトに乗ったつもりで。
懸垂式リフトが階段の高さギリギリに設置してあります。昇降のしやすさと滑らかな動きを、利用者は体感されているのではないでしょうか。

途中駅のようなものは存在しません。常にリフト本体は一番下か一番上にあります。

移動横にベンチがありました。長崎の坂道ではこのような椅子があちこちに置かれています。しかしこの急斜面では、普通に椅子を置いても座るのは大変そうです。

ゴミ収集もこんな階段の坂道では大変です。東京のように収集車が走る道路がありません。ゴミの日に朝から聞こえてくるけたたましいゴーゴーという音。緑色の収集箱をソリで滑らせている音です。普通の生活音だったこの音も、東京では聞こえてきません。

毎分15 メートルのゆっくりしたスピードでのぼったリフトもこちらが終点です。
およそ50 メートルほどの短い距離ですが、階段の昇り降りがつらいお体の方にとっては大切な手段のさくら号です。
ただ、これから先も立山公園下のバス通りに出るまではもっともっと上らなくてはなりません。斜面移送システムにはそれなりの道幅が必要で、本当に上るのに苦労している細い道にはつくることができません。そのあたりの長崎市の対策が待たれます。

 ただ、これから先も立山公園下のバス通りに出るまではもっともっと上らなくてはなりません。 斜面移送システムにはそれなりの道幅が必要で、本当に上るのに苦労している細い道にはつくることができません。そのあたりの長崎市の対策が待たれます。